林診療所

世田谷区桜上水 内科,脳神経外科 林診療所

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Q and A

高血圧Q and A

Q1. 高血圧は血圧どのくらいのことをいうのでしょうか。
A1.
診察室血圧(診察室で測った血圧)が収縮期140mmHg, 拡張期90mmHg(血圧140/90)以上の場合に、高血圧と診断されます。家庭血圧(御自宅で測った血圧)の場合は、もう少し低く135/85mmHg以上の場合、高血圧となります。また24時間持続的に測定する方法(ABPM)ではもう少し低い値が設定されています。

Q2. 血圧はどのくらいの値から受診したほうがいいのでしょうか。
A2.
成人における至適血圧は120/80mmHg以下、正常血圧は130/85mmHg以下とされていますが、収縮期血圧が130-140mmHgあるいは拡張期血圧が85-90mmHgの場合は「正常高値血圧」という範疇になります。この正常高値血圧の場合、将来高血圧へ移行する確率が高いことが明らかにされています。また、近年注目されているメタボリック症候群の診断基準でも、血圧はこの正常高値血圧の段階でリスクとしてカウントされます。これらのことからも、他の動脈硬化のリスクのある場合は特に、高血圧の前段階の状態で対処していく方がよりよいと考えられます。そのため、正常血圧を超えて血圧が上がってくる場合には、早めに受診してご相談いただく方がよいでしょう。

Q3.高血圧になるとどのような症状がでるのでしょうか。
A3.
高血圧の自覚症状は何もないことが多いですが、高度の高血圧では、頭痛、悪心・嘔吐、ほてり、動悸等の症状が起きることがあります。この自覚症状の乏しいところが、高血圧のこわいところでもあります。

Q4. 高血圧はどうして治療した方がいいのでしょうか。
A4.
高血圧が持続することにより、知らず知らずのうちに血管の動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの危険性が高まってしまいます。ですから、健診等で血圧が高いことが指摘されたら、症状がなくても受診してください。

Q5. 薬を飲む以外に、血圧のために気をつけた方がよいことがありますか。
A5.
高血圧に対しては、生活習慣の修正が非常に重要です。まず、食事では減塩(目標は食塩6g/日以下)が重要です。よくコンビニで買うおにぎりなどにもNa表示がされていますが、これはナトリウムの含有量なので、食塩量に換算するには、2.5をかけて計算します。(例えば、Na 500mgと表示されていたら、食塩に換算すると、500mgx2.5=1250mg=1.25gということになります。)また野菜や果物を積極的に摂るようにし、コレステロールや飽和脂肪酸を控えてください。体重はBMI(=体重(kg)÷身長(m)2)を25未満にすることが目標ですが、体重4-5kgの減量で血圧は明らかに下がります。また一日30分以上の定期的な有酸素運動を行いましょう。(心臓、血管に持病がある方は個別にご相談下さい。)またお酒は飲み過ぎないようにしましょう。タバコは血圧への影響も指摘されており、禁煙を目指してください。また寒くなったり、ストレスがかかったりすると血圧が上がりますので、防寒やストレス管理も重要です。

Q6.血圧の薬は一度飲み始めたらやめられないと聞いたので薬を飲みたくないのですが、本当にやめられないのでしょうか。
A6.
高血圧の薬は、高血圧自体を完全に治癒させるわけではないので、薬を飲まなければ血圧が上がってしまうため飲み続けている方が多いことは確かです。しかし、軽症の高血圧の場合には、前述のような生活習慣の是正や減量によって、薬を飲まなくてもよくなる方も結構いらっしゃいます。また高血圧の原因によっては、その原因自体を取り除いたり治療したりすることができれば、降圧薬は一時的な内服で済むこともあります。ですから、取り除ける高血圧の原因はないか、一度一緒に検討してみましょう。

Q7. 家で血圧を測るようにいわれたのですが、測り方等で気をつけた方がよいことはありますか。
A7.
朝の血圧を測定するときには、起床後1時間以内で、トイレに行った後、座って1-2分安静にしてから測るようにしましょう。朝のお薬は飲む前、朝食を召し上がる前に測ってください。また夜の血圧は、就寝前に座って1-2分安静にしてから測るようにしましょう。毎日できるだけ同じような状況で測りましょう。血圧計は上腕で測るタイプの方がよいです。

Q8. 高血圧で薬を処方されましたが、副作用など気をつけた方がよいことはありますか。
A8.
血圧のお薬にはいろいろな種類があり、それぞれ作用する場所が違うので、お薬によって副作用も様々です。ただ一般的に処方されている血圧のお薬には、それほど副作用の頻度は多くありません。処方されたお薬に注意書きがあると思いますので、必ず目を通してください。どのお薬でも気をつけた方がよいこととしては、ご自宅での血圧をチェックすること、またお酒を飲んで血圧が下がりすぎることがあるので、お酒を飲む場合は適量にし、よくお水を飲むように気をつけること、等です。飲み合わせで気をつけた方がよいお薬がありますので、新しくお薬を始める場合は、今飲んでいらっしゃるお薬をお知らせください。

Q9. 高血圧の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
A9.
高血圧の原因は、はっきりとわからない「本態性高血圧」の方が多いですが、血圧に関与するホルモンの異常や、腎臓の血管の異常等が原因の場合もあり、降圧薬による治療以外に、特殊なお薬や手術が必要になる場合もあります。

Q10. 高血圧専門医はどのような資格なのでしょうか。また高血圧専門医を受診するメリットは何でしょうか。
A10.
高血圧専門医は日本高血圧学会が認定している専門医であり、特定の研修施設で一定の症例数以上の経験を有し、試験に合格することが必要です。高血圧は頻度の高い疾患であり、多くの医師が診療にあたっていますが、一般的な治療を行っても血圧が改善しない治療抵抗性の高血圧や二次性高血圧などがある場合等、専門医へのご相談をお勧めします。

 

糖尿病Q and A

Q1.糖尿病とはどの様な病気なのでしょうか?
A1.
体の中には血糖値を下げる働きを持つ「インスリン」というホルモンが膵臓から分泌されています。このインスリンが不足したり効きにくくなったりして、血糖値が高い状態が持続することが「糖尿病」です。
 

Q2.糖尿病にはどんな症状がありますか?
A2.
糖尿病の症状としては、のどの渇き、水をよく飲む、尿が多い、尿が泡立つ、体重が減ってきたなどが認められることがありますが、軽度では特に症状はありません。しかし、糖尿病が進行すると、眼の障害、腎臓の障害、神経の障害などの合併症が出現し、更に動脈硬化進行の重大なリスクになるため、糖尿病の早期発見・治療は非常に重要です。ですから、なるべく健康診断を受けていただき、血糖値の異常を指摘されたら、早めにご相談にいらしてください。
 

Q3.健診で糖尿病を指摘されましたが、このまま放置したらどうなるのでしょうか?
A3.
糖尿病を治療しないで放置すると、糖尿病の程度にもよりますが、命の危険にさらされることがあります。血糖値がどんどん高くなり、脱水の状態も加わると、意識障害を来す場合もあります。また、そこまでの状態にならなくても、血糖値が高い状態を放置すると、網膜症が進んで失明の危機に面したり、腎臓が悪くなって透析に至ってしまったりすることも十分考えられます。放っておかず必ず受診して定期的なチェックをすることをお勧めします。
 

Q4. 糖尿病の治療にはどのようなものがありますか?
A4.
糖尿病の治療には、食事療法、運動療法などの生活習慣の是正(→Q5へ)と、内服薬、インスリンなどの注射による治療法があります。
 

Q5.健診で糖尿病の気があるといわれました。日常生活でどのようなことに気をつけたらよいでしょうか。
A5. 食事で気をつけることは、食べ過ぎを避け、偏食せずに規則正しく3食、バランスよく食事をすることです。どの食べ物がよい、悪いということよりも、一日3食規則正しくバランスのよい食事をとり、それを長く続けるということが重要です。
(ただし、既に糖尿病の合併症がある方は、食事療法の内容が変わってくる場合がありますので、医師の指示に従ってください。)食事のカロリー摂取量は、性別、年齢、肥満度、日常生活やスポーツによる身体活動量、血糖値、合併症の有無などを配慮し、医師が決定します。一人ひとり適正エネルギー量は異なりますので、医師から指示されたあなたの量を守りましょう。
(通常成人男性では1400~1800キロカロリー(kcal)、女性では1200~1600キロカロリー(kcal)程度となります。)またお菓子や清涼飲料水、お酒は控えましょう。
適度な運動も非常に重要です。運動により、血糖値の改善、インスリン抵抗性の改善(インスリンが効きやすくなる)、脂質代謝の改善が得られ、肥満も改善します。運動は、できるだけ全身の大きな筋を使用する ウォーキング (速歩)、ジョギング、水泳、自転車などの有酸素運動 がよいとされています。1回の運動継続時間は20分以上がよく、中等度の運動(「ややきつい」と感じる程度の運動強度(心拍数が100~120拍/分、最大酸素摂取量の40~60%)あるいはそれ以下の強度)を毎日、少なくとも1週間のうち3日以上行うのがよいでしょう。
 

Q6.糖尿病の数値で、「エイワンシー」というのをよく耳にしますが、何の数値ですか?
A6.
HbA1c(ヘモグロビンエイワンシー)という数値です。これは、グリコヘモグロビンを測定しているものです。なぜこの値を指標にしているかというと、この数値が、採血の時点だけでなく約1-2ヶ月の血糖値の状態を反映しているからです。
赤血球の寿命はおよそ120日(4ヶ月)といわれており、赤血球はこの間ずっと体内を巡って、血管内のブドウ糖と少しずつ結びつきます。高血糖すなわち余っている糖が多ければ多いほど結びつきが増えグリコヘモグロビン(HbA1c)も多くなるわけです。したがって血液中のHbA1c値は、赤血球の寿命の半分くらいにあたる時期の血糖値の平均を反映します。すなわち外来で血液検査をすると、その日から1~2ヶ月前の血糖の状態を推定できることになります。最近、この数値の基準値が変わり、今までの数値+0.4%程度になっています。この数値の推移を採血でチェックしながら、血糖値をコントロールしていくことになります。
 

Q7. 糖尿病で薬を飲んでいますが、何を指標にして薬は処方されているのですか?
A7.
糖尿病の薬にはたくさんの種類があります。それぞれの薬が血糖値を改善させる仕組みが違います。そのため、血糖値を下げる力、副作用の種類や起きやすさ、血糖値を下げる以外の効果の種類などが違います。これらを考えて、その方の血糖値の状態、インスリン分泌の能力、合併している疾患などに合わせてお薬が処方されています。
 

Q8. 両親が糖尿病で、自分も血糖値が心配です。やはり糖尿病は遺伝するのでしょうか?
A8.
遺伝の要素は一部ある、と考えられています。ただ、糖尿病自体が遺伝するのではなく、糖尿病になりやすい体質というものが遺伝する、ということです。ですから、食事や運動などの生活習慣の要素が大きく、全てが遺伝で起きるわけではありません。
 

Q9. 糖尿病にならないようにするためには、どのようなことに注意したら良いでしょうか?
A9.
糖尿病の原因としては、生活習慣によるもののほかにも、ある種の薬剤によるもの、遺伝によるもの、自己免疫によるもの、血糖値を下げるホルモンであるインスリンを出している膵臓の障害、インスリン以外のホルモンの分泌異常など様々です。この中で気をつけることができるのは、日常生活習慣による要素です。そのなかでも、食事と運動がカギになってきます。一言でいえば、太り過ぎないことです。
食事に関しては、カロリーの取りすぎに注意します。(A5参照)カロリー摂取が多過ぎれば、それだけインスリンの必要量が多くなり、インスリンを出している膵臓を疲れさせることになります。
もう一つは運動です。適度な運動により、内臓脂肪を減らすことができます。内臓脂肪が溜まってくると、インスリンの効きが悪くなってくることがわかっています。インスリンの効きが悪くなると、たくさんインスリンを出さないと血糖値が下がらなくなってきます。そうすると膵臓が疲れてきてしまいます。(A5参照)
食事と運動に気をつけて、糖尿病にならないように一緒に日常生活を見直していきましょう!
 

Q10. 市販の健康食品で、血糖値を上がりにくくする、と書いてあるものがありますが、糖尿病に効果はありますか?
A10.
血糖値を上がりにくくする効果のある健康食品も色々あります。効果はある程度期待できますが、糖尿病の程度や飲んでいらっしゃるお薬にもよります。
ぜひご相談下さい。